(社説)立憲再出発 枝野氏頼み脫し地力を

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 政治に緊張感をもたらし、多様な民意を國政に反映させるうえで、野黨、とりわけ野黨第1黨の役割は大きい。立憲民主黨は厳しい選挙結果を徹底的に分析し、新しい代表選びを通じて、體制の立て直しと地力の強化に努めねばならない。

 政権交代を訴えた衆院選で、逆に公示前の議席を13減らす大敗を喫した立憲の枝野幸男代表が辭意を表明した。國のかじ取り役として、有権者の支持を集められなかった以上、責任をとるのは當然だろう。

 後任を選ぶ代表選は年內に行われる。國民民主黨などとの合流後に枝野氏を選出した昨年9月の代表選は、國會議員のみで行われた。今回は、地方議員や黨員?サポーターも參加する。新たなリーダーを拙速に決めるのではなく、ある程度の時間をかけ、黨員も巻き込んで、候補者の資質を吟味するプロセスは、再出発に欠かせない。

 立憲は4年前の総選挙で、當時の野黨第1黨だった民進黨が小池百合子東京都知事率いる希望の黨に合流を決めた際、排除された仲間の受け皿として、枝野氏が立ち上げた。その後、4年間かけ、所屬議員を増やし、共産黨を含む野黨共闘を整え、自公政権に交代を迫るまでの體制をつくりあげたのは大きな功績に違いない。

 しかし、枝野氏や少數の幹部だけで黨の基本方針や政策を決める場面も多く、枝野氏の「個人商店」「枝野1強」ともいわれた。舊立憲時代から、綱領に「草の根」の聲の重視を掲げ、トップダウンで政策を推し進める安倍?菅政権との手法の違いを強調しながら、足元の実踐は伴わなかったと言わざるを得ない。良くも悪くも枝野氏頼みの體質から脫卻しなければ、新たな展望は開けまい。

 野黨共闘の検証、支持団體の連合や國民民主黨との関係の再構築ももちろん不可欠だが、議員個人や地方組織が、地域における日常活動を抜本的に強化することが、有権者に選ばれる政黨になるうえでカギを握るのではないか。今回、野黨各黨と候補者を一本化したにもかかわらず、小選挙區の議席増は9にとどまった。小差で競り負けたところが多かったのは、まさに地力不足というほかない。

 地方議員や首長を増やし、大阪府市で行政の実績を重ねてきた日本維新の會が今回、躍進した。かつての民主黨も地方選で積極的に候補者を擁立し、政権交代2年前の07年統一地方選では名古屋、川崎の両市議會で第1黨となった。黨の足腰を鍛え、真にボトムアップの政治を実現するためには何をすべきか。それもまた、代表選の大きな論點である。

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