新資格「子ども家庭福祉ソーシャルワーカー」案 専門家からは異論

久永隆一
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 児童虐待による死亡事件が後を絶たないなか、子どもや家庭の支援に攜わる人材の専門性を高めようと、厚生労働省は5日、新たな資格「子ども家庭福祉ソーシャルワーカー」の案を有識者らでつくる専門委員會に示した。ただ、國家資格の位置づけでないことなどから反対意見もあり、結論は先送りとなった。

 政府は児童虐待への対応強化に向け、児童相談所で働く児童福祉司を2022年度までに2千人増やす計畫だ。人數を増やすことと併せ、長年の課題になっているのが専門性の向上で、子どもや家庭福祉の分野で新しい資格をつくることが検討されてきた。

 厚労省が示した案では、いずれも國家資格の「社會福祉士」か「精神保健福祉士」を持つ人が、児童虐待への対応や母子保健といった教育課程を終えれば、「子ども家庭福祉ソーシャルワーカー」に原則認定する。認定は民間団體が擔う。當面の経過措置として、こうした分野で4年以上の実務経験がある人も、認定されるようにする。

 この日の専門委は、新たな資格を國家資格にすることや、社會福祉士などの保有を條件としない獨立型の資格とすることを求める委員もおり、紛糾。「國家資格ではないのに子どもに攜わる専門職に必要な資格と法律上、本當に位置づけられるのか」という反対論の一方、今の國家資格へ上乗せする形は「採用する側の行政からは(何でもできる)オールマイティーの人材が期待されている」と賛成する聲も上がった。資質向上には、短期間で異動する自治體の人事運用の見直しが必要とする意見もあった。

 厚労省は來年の通常國會に関連する改正法案の提出をめざしており、年內にも結論をまとめたい考えだ。(久永隆一)