「機械生む機械」に集まるマネー 展示會でみえた業界の「変化」

今泉奏
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 東海地方に本社を置く工作機械大手の9月中間決算が5日、出そろった。いずれも最終的なもうけである純損益で大幅な改善となった。電気自動車(EV)や次世代通信端末など、新技術を詰め込んだ製品をつくるために不可欠な「機械を生む機械」が売れている。

 オークマ愛知県大口町)の年度上半期の受注額は978億円(前年比75%増)で、當初想定の800億円を上回った。家城淳社長は「(工場の自動化や新電力など)アフターコロナの需要が広がっていることが大きい」と分析する。

 DMG森精機(名古屋市)の1~9月期決算では受注金額ベースで、歐州が前年同期比2?1倍、日本が1?7倍、米州が1?4倍と大きく回復。森雅彥社長は「大変好調な受注が続いている。期末の12月に向けて、今まで以上の力強い成長が続く」と語った。トヨタ系のジェイテクト愛知県刈谷市)も、北米を中心に受注が増えた。

 工作機械は、設備投資の先行指標とされる。コロナ禍で先送りされた需要は製造業界のなかでもいち早く現れ、昨年半ばを底に回復基調となった。技術革新に加え、自動化や脫炭素化といったトレンドも追い風となっている。

 10月下旬に名古屋市で開かれた國內最大級の工作機械展示會「メカトロテック ジャパン 2021」では、追い風を受けた業界の「変化」も現れていた。

 DMG森精機のブースでは工作機械を1臺も展示しなかった。展示會で機械を持ち込まないのは「異例」で、同業者からは驚きの聲もあがった。一方、自動化を支える最新のロボットを展示した。加工技術に加え、環境性能や人員削減などを含む「機械を通じてできること(ソリューション)」を説明するパネルを並べた。

 オークマは、工作機械を展示しながらも、二酸化炭素排出量の「見える化」や課題解決を前面に出すブースを構えた。家城社長は「工作機械は精度を高めるために環境を犠牲にしてきた。これからは環境性能を日本の工作機械の強みにしていきたい」と話す。(今泉奏)