9年ぶりの「鬼門」に挑む中央大 復活のかぎは2人の「大エース」

加藤秀彬
[PR]

 第53回全日本大學駅伝が7日に行われる。10月の出雲駅伝を初出場の東京國際大が制したように、近年の大學駅伝は新興勢力の臺頭がめざましい。迎え撃つ古豪勢の現在地を探った。

 中大は関東地區選考會を5位で通過し、9年ぶりの切符をつかんだ。

 2016年から母校を指揮する藤原正和監督は「中大にとって出て當然、出なくてはいけない駅伝だった。今回出場できる喜びは大きい」と話す。

 近年の大學駅伝は各校ともに選手層が厚みを増している。

 そこから一歩抜け出すには、エース以上の「大エース」と呼べる突出した存在が必要だと、藤原監督は考えている。

 昨年の全日本で逆転劇を演じた駒大?田沢廉(3年)のような、1人でレースの流れを大きく変えられる選手だ。

 大エースに、との期待がかかるランナーとして、藤原監督は2人の名前を挙げる。

 一人は、昨年の日本學生対校選手権5000メートルを1年生ながら制した吉居大和(2年)だ。

 12月の日本選手権でも、3位に食い込んだ。このときマークした13分25秒87はU20日本記録。世代を代表する選手だ。

 ところが、今シーズン前半は不調が続いた。

 東京オリンピック(五輪)の出場権を狙った日本選手権では16位。連覇を狙った日本學生対校も11位に終わった。

 「狙ったレースに調子を合わせられなかった。上で戦い続ける、トップであり続けるのは難しいと思いました」と吉居。

 藤原監督も「2年目の壁に當たらせてしまったのは私のマネジメントの至らなさ」と語る。

 その間に頭角を現してきたのが、中野翔太(2年)だ。

 1年生のころは、ケガに苦しんだ。

 「入學前に1萬メートルで28分臺を出して、期待してもらっていた。焦らずやれと言われたのに、無理をして走ってしまった」

 ケガをした反省を生かし、體の中心に近いお尻の筋肉を使うフォームに改良した。

 効果は徐々に出てきて、故障なく2年目のシーズンを迎えた。

 夏合宿では、昨年の吉居がこなしたものとほぼ同じメニューを完走。9月には、5000メートルで13分45秒19の好タイムを記録した。

 「(吉居は)去年、ものすごい活躍をした。悔しさもあった」。反骨心を力に変えた。

 同學年の仲間に觸発され、吉居も本來の走りを取り戻しつつある。

 10月23日の箱根駅伝予選會では、チームトップでゴール。一時は日本人選手のトップ爭いに食い込み、復調をアピールした。

 「シーズン前半のように、粘れずにずるずると落ちることがなかった。大きな意味のある走りでした」

 箱根駅伝の出場回數94、優勝14度はいずれも史上最多の中大にとって、全日本は「鬼門」とも呼べる存在だ。

 過去の最高成績は2位。一度も頂點に立ったことがない。

 新たな歴史を刻むには、大エース候補2人の好走が欠かせない。加藤秀彬